良性発作性頭位めまい症ガイドライン 2023年
具体的な症状の特徴としては、
・起床時にクラクラするようなめまいが起こる
・寝返りをうったり、頭や体を動かしたりしたときにめまいが起こる
・一回一回のめまいの継続時間が短い(数十秒程度)
という症状が挙げられます。
起床時や睡眠時だけではなく、洗髪などで下を向いたときや、洗濯物を干すときに上を向いた頭位でめまいが誘発されることが多いです。めまいに伴って吐き気や嘔吐の症状が出る場合もありますが、耳の聞こえが悪くなったり、意識や言葉、運動の障害を伴うことはなく、良性であるため基本的に大きな心配はいりません。
めまいを伴う疾患全般に女性の患者さんが多いので、BPPVに限ったことではありませんが、女性の発症が多くまた高齢者にも多い疾患の一つです。
2023年良性発作性頭位めまい症のガイドラインが出たので原文を抜粋し報告します。
後半器官型良性発作性頭位めまい症にリハビリは有効?
→推奨度A:行うよう強く進められる
外側半器官型良性発作性頭位(半規管結石型)にめまい症にリハビリは有効?
→推奨度B:行うよう進められる
外側半器官型良性発作性頭位(クプラ結石型)にめまい症にリハビリは有効?
→推奨度A:行うよう進められる
良性発作性頭位めまい症は自然治癒するので経過観察のみで良いか。
→推奨度B:行うよう進められる
後半器官型良性発作性頭位めまい症の自然治癒は39日である。
1週間後の自然治癒率は63%のため、1週間後に治癒していない場合はリハビリを検討すべきである。
外側半器官型良性発作性頭位めまい症(半規管結石型)の自然治癒は13日である。
1週間後の自然治癒率は63%のため、1週間後に治癒していない場合はリハビリを検討すべきである。
良性発作性頭位めまい症のリスクファクターは?
女性、ビタミンDの低下、骨粗しょう症、片頭痛、頭部外傷、総コレステロール高値である。
良性発作性頭位めまい症の再発率と再発防止法は?
→推奨度C1
耳石置換法後に50%が再発し、1年以内の再発率は15〜18%、3年間では30〜50%である。反対側への再発は17〜26%である。
血清ビタミンDの低下を認める症例に対するビタミンDの低下(<20ng/ml)を認める症例に対するビタミンDとカルシウム投与は、再発率を低下させ、予防効果がある。
良性発作性頭位めまい症に薬物治療は有効か?
→推奨度C1
血清ビタミンDの低下を認める症例に対するビタミンDの低下(<20ng/ml)を認める症例に対するビタミンDとカルシウム投与は、再発率を低下させ、予防効果がある。
耳石置換後にベタヒスチンあるいは前庭神経抑制薬、抗不安薬を服用すると、症状やめまい障害度の改善率が高くなる可能性がある。