新型コロナウイルス(オミクロン)について
202208.02
#お知らせ
オミクロン株の派生型「BA.5」への置き換わりが進み、現在、流行の主力となっています。3日前後の潜伏期間を経て発症し、7日程度、症状が続くことが多いようです。
オミクロン株では、咳や鼻水、のどの痛みが混在する上気道炎型が多く、インフルエンザに似ていますが、水が飲めないぐらい痛いという方もいらっしゃいます。必ずしも発熱するわけではなく、フランスの調査では、発熱を認めたのは 58% となっていました。それより、倦怠感 76% の方が特徴的かもしれません。
当院でも、特に高齢者を中心に『熱がないからコロナではない』と検査を希望されず、こちらの勧めで検査をした結果陽性の方も多いです。
基礎疾患や肥満などのない若い方であれば、ほとんどの場合、解熱剤など症状を緩和する内服薬のみで軽快しています。沖縄県でのデーターになりますが、今年1月以降の50歳未満の感染者 214,981人のうち、入院を要したのは1,405人(0.65%)、重症者は17人(0.008%)、死亡は2人(0.001%)でした。
一方、高齢者にとっては、病原性が低下してきたとはいえ、いまだ重症化するリスクのある危険な感染症です。今年1月以降の70歳以上の感染者 19,124人のうち、入院を要したのは4,024人(21.0%)、重症者は116人(0.61%)、死亡は91人(0.48%)でした。
コロナによる健康被害を減らしていくためには、いかに高齢者を感染から守るかが重要です。それに加えて、感染してしまった高齢者を適切に見守り、日常的な風邪のケアができるかも大切です。
私も開院してコロナ患者さんを対応して参りましたが当院のスタッフを含めて感染した方はいませんし、感染症の疑いがある方はお車で待機もしくは発熱外来入口に誘導致しますので待合室は安全と考えています。
すなわち、当院でも発熱などの風邪症状がある方は聴力検査などの精密検査を行う場合は原則抗原検査を受けていただきます。
唾液のPCRで十分ではないか?というご意見もいただきますが。唾液のPCRでは偽陽性(陽性ではないのに陽性になること)があると報告されています。抗原検査では偽陽性・偽陰性がほとんどないことより当院では抗原検査のみを行なっています。✳︎PCRは行なっていません。
扁桃炎を合併することもあるため、扁桃炎なのでコロナではないということもございません。
ご高齢の方や以下の抗ウイルス薬の適応がある方も検査をおすすめいたします。
8月2日現在、当院では都心部ではみられるような検査が受けられない状態もなく駐車場も広くお取りしていますので、検査等お断りをするような状況ではありません。必要があれば我慢せずに受診をおすすめしています。
(私も第一波の際に医療従事者という立場からコロナを疑われ、高熱を我慢し、かえって症状を長引かせたことがありました。)
最後に新しく発売になった新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬(飲み薬)についてご説明いたします。
経口抗ウイルス薬とは、新型コロナウイルス感染症に患者に投与できる治療薬(飲み薬)のことです。
令和3年12月24日、経口抗ウイルス薬「モルヌピラビル」(販売名:「ラゲブリオカプセル200mg」)(以下、「ラゲブリオ」という。)が、令和4年2月10日、「ニルマトレルビル/リトナビル」(販売名:「パキロビッドパック」)(以下、「パキロビッド」という。)が特例承認されました。
現在、安定的な供給が難しいことから一般流通は行われず、供給が安定するまでの間、国において買い上げ、治療を行う医療機関や薬局に無償で提供されます。
1)次の条件を満たす方
- 18歳以上
- 妊婦又は妊娠している可能性がない
2)次のいずれかの重症化リスク因子を有する方※
- 61歳以上
- 活動性の癌(免疫抑制又は高い死亡率を伴わない癌は除く)
- 慢性腎臓病
- 慢性閉塞性肺疾患
- 肥満(BMI30kg/m2以上)
- 重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
- 糖尿病
- ダウン症
- 脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
- コントロール不良のHIV感染症およびAIDS
- 肝硬変等の重度の肝臓疾患
- 臓器移植後、骨髄移植、幹細胞移植後 等
with コロナの時代となりましたが日々治療も進化しています。after コロナの時代となるようコロナで打ち勝っていくという強い気持ちで日々の診療に臨んで参ります。