3月3日は耳の日です。(耳そうじはやった方がいいの?)
本日3月3日(みみの日です)、耳掃除はやったほうがいいのか、やらない方がいいのか考えてみましょう。耳掃除はお子さんと関係性が持てるとても大切な時間ですからこそ理解が必要ですね。
外耳道という音の通り道には、耳の奥の硬い骨に囲まれ薄い皮膚に被われた骨部外耳道と、比較的厚い皮膚で形成された入り口付近の軟部外耳道に分かれます。軟部外耳道に、耳垢(じこう)が存在します。この、外耳道の皮膚には、内部の老廃物を外耳道入口部へ運ぶ小さい毛があり、自浄作用という大切な働きがあり、細菌の侵入や異物の侵入を防いでいます。当院でも治療のために鼓膜に紙を貼ることがありますが数週間後には徐々に自然と出てくることが確認されています。
また、耳垢にはカサカサした乾型(dry type)とニカワ状の湿型(wet type)があります。この耳垢の性状には遺伝があり、人種差があると言われ、日本人には乾型が多くすると言われています。
では、ここで耳掃除はやったほうがいいのか、やらない方がいいのか考えてみましょう。確かに耳掃除は気持ちがいいですし、耳を綺麗にしたい気持ちは強いと思います。しかし、耳掃除を繰り返すと、外耳道の自浄作用がなくなり、かえって耳垢がたまり易くなったり、感染を起こす心配があります。さらに、綿棒などで耳垢をどんどん耳の奥の方へ押しやり聞こえが耳栓のようになる方も見受けられます。自分の症状を訴えることができないお子様や赤ちゃんではとくに注意が必要です。
以上のことを踏まえて、耳掃除は、1回/月くらいで問題ないと思っています。気になる症状があればお手伝いできることもありますので、いつでもご相談ください。
・治療について
ベッド上で顕微鏡にて取ることが最も安全に処置ができます。しかしながら、一人でベッドに横になる方が難しい場合も多く、その際は椅子にて処置を行います。一人で座れない方や座っていても動かれる方は処置が難しい場合があります。暴れたりするとかえって本人の苦痛も続き、外耳道を傷つけることがありますので、看護師が固定することもあります。それでも難しい場合はタオルなどで包むこともあります。当院では事前にどこまでするか確認する方針としています。確認がない場合は事前におっしゃっていただけると助かります。
どうしても難しい場合は再診が必要になりますが、耳垢を柔らかくする点耳薬(てんじやく)をさして受診していただく際は掃除機なような機械で吸引(きゅういん)いたします。当日処置するよりは痛みなく処置できます。